あなたにプレゼントしたものが 気がつけば、
自分への贈りものになっていた
時間が教えてくれた、大切な贈りもの…
ありがとう
都会のビルの谷間から見える青空も
高速を走る車のスピードも
交差点を交わる人々の群れも
この森の深さに、見えなくなっていく
レセプション棟のBAR 合歓のはなでの昼と夜の移り変わる表情で
ようやく、時計の針が右に動いたことに気づいた
Window Pictureを彩る木々の色が、
こんなにも日々が鮮やかだったことを教えてくれる
「合歓のはな」を包み込む猪八重渓谷。
ここは五重の滝を中心に20数カ所の滝群が点在する、深く静かな森。
一定の湿度と温度が保たれているため、貴重なコケ類の宝庫としても知られ、
世界中で約1800種類あるといわれるコケの中の約300種が渓谷一帯に生息している。
深い森に佇み深呼吸すると、体の中から洗われていくように感じる。
自然の神々が、優しい手で頬を包んでくれるような、そんな気持ちになる。
高鍋藩秋月家によって元禄10年(1697年)福島地方(現在の串間市)に設置された藩営牧場の1つが御崎牧(現在の都井岬)で、開設以来今日まで300余年ものあいだ極めて粗放な周年放牧で飼育され、その繁殖は全く自然にまかされていた。
現存する日本在来馬(北海道和種、木曽馬、御崎馬、対州馬、トカラ馬、宮古馬、与那国馬)のひとつで、昭和28年(1953年)に純粋な日本在来馬として国の天然記念物に指定された。
「お父さんとお母さんの新婚旅行って宮崎で、都井岬にも行ったんだって」
「へえ~」 そう言って、あなたは馬を珍しそうに眺めた。
馬の揺れるタテガミと、青い海が、よく似合う。 まるで、絵画のようだと思った。
部屋に戻ると、既に16時をまわっていた。鳥の声と部屋の前を流れる小川のせせらぎは、 昨日と相変わらず変わらない。
初めて来たときは、ドキドキしながら、この部屋で大切に時間を過ごした。
二度目の今は、お気に入りの部屋で、連泊最後の日を味わっている。
訪れるたびに違う顔をみせてくれる。
季節を巡るたびに、私たちも深みを帯びてくる。
「また、次は違う季節に来ようね」